介護認定の仕組みを
理解する

現場の状況

人数そのものは増加している

介護の話をしていると出てくるのが、どうしても現場状況に関するものだ。ただ福祉の職場に関するニュースとして明るい話題を聞いたことがある日がどれだけいるのかと、質問したくなってくる。筆者から言わせて貰うと、ここ数年単位で考えても福祉に関するニュースは聞こえてきても、業界全体に対する明るいニュースや、これだけ前と比べたらよくなったと、そう思えるような事実は聞いたことがない。ただひたすらに耳にするのは、職場環境に関する不満と不安定さ、そして慢性的な人手不足という問題くらいだ。

労働力が足りないと言っても、実際にグラフなどの統計を調べてみると全体的な人数は一時期よりも増加していることは間違っていないが、それも地域によって人手が圧倒的に足りていないという問題を常にデフレサイクルの如く抱え続けている職場はとても多いだろう。今に始まった問題では無いが、景気が良くなったなどとメディアが騒ぎ立てている中で、どう考えてもそんなことないだろうと、むしろ以前よりも生活が苦しくなったと感じている人もいる。介護の現場でも問題そのものが解消される見込みもなければ、将来的に介護職員を必要とする人々が増える中でますます資格を持っているヘルパーを必要としている人口も増えていくのも、容易に想像できる。

話していると日本という国の不安定さを改めて実感することになるが、今回はそこを気にしているととめどないダークサイクルが展開されそうなので、今回はあくまで介護に携わっている人々、もしくは現場が直面している問題についてなどを考察して行こう。


成長の兆しが継続している

介護をするためにはまず、正式に資格を取らなければならない。特に仕事ともなればこの資格をとらなければ仕事とすることも出来ないことが法律で定められている。国家資格として認定されている『介護福祉士』が、介護などを行う専門職となっているわけだが、例年で比べると介護という仕事に対して興味関心を持っている、また仕事として生きて行こうとする人も少なくない。そこは喜ばしいことに、数字にしてみると介護福祉士を目指している人の数は例年上昇の傾向にある。

成長の兆しが見られてきたのは、平成に入ってから少しずつ数字を伸ばしていったが、顕著になったのが平成10年頃から1つの職として求める人が着々とその数を伸ばしていったところだ、その後も成長そのものは止まる事無く増え続けているので、そういうところでは職業として一定の地位には何とか食い込んでいると言える。一番新しいデータとして平成22年度の介護福祉士の登録需給内訳があったので書いてみると、こんな感じになっている。

内訳一覧

比較を出してみるとその違いを良く理解できると思うので、平成22年度と平成元年までを見比べてみると分かることが多々あるので、そこにも注目してもらいたい。

※以下、表でお願いします。

平成元年 平成22年

総数 2,631人 898,429人

単年度増加数 2,631人 86,989人

国家試験 2,623人 632,586人

単年度増加数 2,623人 76,469人

養成施設 8校 265,863校

単年度増加数 8校 10,520人

色々といいたくなるが、順番に話していくとまず平成元年と平成22年度ではそもそも『介護』を職業とする考え方が希薄だったということを明確に数字が表している。今でこそ国家資格取得者だけでも総数100万人を超えている介護福祉士だが、平成に入った直後はまだ介護を見ず知らずの他人に仕事だと依頼してお願いする考え方がなかったことを意味している。老人、もしくは寝たきりの病人の世話は自宅でするものだとする考え方が強かったことを意味しているが、それでは満足な生活を過ごすことが出来ない、また人によっては何処か施設に入っていないとならない事情もあったのだろう。あれよあれよと需要を増やしていくと共に、20数年でこれだけ成長したことその物は悪い要素では無いだろう。


明るくない介護という現場

経済的な状況も関係していると思うが、それだけ日々の暮らしを何とか削りに削って凌いでいる人もいる。自分の生活もままらない人からすれば介護保険を利用しての生活も有りだが、病院や使用している機材の維持費なども合わせていくと、当然足りなくなってしまう。ならば働きに出るべきだと思うところだが、それですべてが万事解決するほど甘い世界でもない。寝たきりの身内がいるだけで、必ず一人は行動の制限を伴ってしまう。また介護をするだけでも肉体的にも、精神的にも疲労を重ねていってしまうため、非生産的なサイクルが繰り返される日常が続くことで、介護している人の精神が破綻してしまうこともある。社会問題になりつつあるこうした介護放棄という問題も、表沙汰になっていないだけでどこかで問題として上がっているかもしれないのだ。

そうした意味で介護福祉士として登録し、仕事として活動している人が活躍しているわけだが、事実だけ端的に述べると介護福祉士の数が全体的に足りているかどうかという点については、もはや一国の猶予もないほど困窮した現場が継続している。

介護とは行かなくても、それに近い病気に身内がなってしまい、健常とした生活へと回帰するまでの期間はどうしても人の手を借りることになってしまう。これでまだ動くことが出来れば幸いだと感じるが、自分で手足を動かすこともままらないような状態になってしまえば、半永久的にそんな生活を強いられてしまう場合もある。その患者に対して同情ないし、憐憫を感じることになるがそれ以上に体の自由が利かないことに不便を感じているのは患者本人もそうだ。ただ患者本人はその億劫とした不満をぶつけても状況が改善されることは無い、そのため直接的な苛立ちを介護福祉士や介護を行っている人へとその矛先を向けることもしばしば。

介護をすることが非常に重労働であると言われているが、それを実体験として経験するとその辛さと大変さが身に染みて理解することが出来る。こうした点で大きな悩みを抱えてしまっているがゆえに、介護福祉の業界は常に混迷としており、仕事をしても割に合わないという声も頻繁に聞こえてくる