介護認定の仕組みを
理解する

問題を改善するためには

国が出した改善策とは

この問題に対して国が動かなければならない事態にまで発展しかけた頃、ようやく少しずつではあるが事は動き始めることとなる。介護業界を取り巻く問題として5つの柱を紹介したが、大まかに言えば仕事量に見合わない賃金で働かされているのに、将来的に個人の生活が安定しない仕事になど希望を見出せるわけがないという点から離職率の高さへと繋がっているという、少し考えれば小学生でも分かる答えにようやく辿り着いたようだ。そうして政府が介護業界に打ち出したのが、業務内容全般に関係する改善策を講じた。その中には賃金の事は勿論、業務に関すること、単純な人手不足を解消するために必要な雇用の手はずを整える、そして将来的に生活を安定化させることが出来るキャリアパスを充実させることで、介護という業界を改善して行こうとする動きがようやく稼動し始めた。

まず改善策として取り入れられた点について一番注目しておきたいのが、『介護職員に対する月額平均15,000円に賃金引上げに相当する額を支給する』ことが改善策として取り入れられた。これだけ見れば誰もが嬉しい出来事かと思うが、この支給金額に関しては主に『常勤スタッフ』を対象としており、つまり正社員として勤務している人限定となっているため、パートタイムなどで勤務している人達にはあまり恩恵のない話といってしまうと、それまでかもしれないがまだマシだろう。

どの職場でもパートなどは貴重な人材となっており、介護福祉の業界でもそうしたアルバイトの存在はとても貴重な労働力となっている。専門的な業務に関しては資格を持っている人にしか行えないが、その他の雑務に関してはパートでも行うことが出来るというのもあるが、そういう意味でも苦しい労働環境に変わりは無い。

つついていると問題が問題を呼び込んでしまいそうだが、いずれにしても今後を通してこれから考えられる改善策について取り入れられていく対策について考察して行こう。


6つの改善策

政府が介護福祉という仕事に対して打ち出した改善策は主に6つとなっている、賃員もさることながら、また将来的に介護福祉の仕事に従事したいと考えている人々を支援するための事業を設立することなども含めて、次のようなものとなっている。

・介護福祉士等就学資金貸付事業
介護福祉養成施設等へ就学を希望する人への資金貸付などを行う事業。
・職業訓練
働きながら資格を取ることが出来る介護雇用プログラムの設置に加え、公共職業訓練や基金訓練なども行うことが出来るようにする。
・雇入れ・定着させた場合の助成金
介護の現場で人材を確保するために必要な資金、ならびに未経験者を訓練するために必要な予算を捻出する事業。
・介護職員処遇改善交付金
キャリアパスなどを充実させつつ、職員に職場改善に必要な予算を出す。
・プラス3%介護報酬改訂
資格を持っている、またこれまでの勤続年数などを総体的に考えて個人の業務を評価し、給与を上げるなどの対策を行うことで離職を少しでも減らそうとする対策。
・介護労働者設備等整備モデル奨励金
介護の現場で必要となる施設を導入する際、経費の1/2を助成金として支給する。

こうした改善策を取り入れることによって、問題とされていた介護の職場に関する労働者が定着するようにすることも重要だが、門扉から惨状を見て死屍累々としている職場で働きたいと感じている光景などを極力減らすことも急務だ。これから働きに来る人、今後働きに雇用と考えている人達が、少しでも長く働けるような現場でいられるようにする必要があったため、今後もこうした動きに対して是正を図らなければならなかった。


要介護認定と介護施設の関係

要介護認定として定められた人達にとって、介護老人施設という物はとても重要なものだ。そこに入所させるかどうかは家族の意向によるところもあるが、こうした老人ホームに入るだけでもあまり簡単に事が運ばなかったりするという。そうした例でも、地域によっては要介護認定、特に介護1以上と判断された人々に関しては優先的に入所に関して話を進めることが出来るとも言われている。また、介護認定に基づくことで、本来老人ホームに入る際に必要な資金なども幾らか免除されるなど、実のところ要介護認定と介護施設は切り離すことが出来ない関係性が築かれている。

また老人ホームに要介護認定患者が入所すれば施設などを利用する際には1割負担で済むなどのサービスを受けることができるという。情報がなかったため詳しいことは定かでは無いが、例えば介護5と認定された患者が老人ホームに入居することになった場合、それだけスタッフに負担が強いられることとなる。そうなるとその分だけ施設が国からなにかしらの助成金が支給されるだろうと安易に予想が付く。こう言ってはなんだが、施設としても介護認定された患者を大きく求めたい重いにあるのは目に見えており、それによって施設としても国からの支援金などを受け取ることが出来るとなれば熱心に受け入れを望みたいなどと考えてもいるだろう。無論そんなことをおっぴろげにした場合は別の問題に曝されるが、そんなことをしているところは無いだろう。ある意味そんなところでもしたたかな経営者がいるわけだが。

ただ先に話したように、要介護認定ではまず介護5と認定される事は滅多にない例だ、ただ介護施設としてはそうした要介護者を受け入れることを積極的に行っていれば国から、手厚い援助が受けられるのは何となく分かる構図だろう。あまり口にしたくは無いが、そういった意図を持って認定調査を仕組んでいるところもあるかもしれないといった、憶測も考えられるため、介護業界もどす黒い部分があるのかもしれない。

だがまずそういう問題に注目するよりも、介護業界は全体的な問題を解消することに取り組まなければならない。要介護認定をされた患者が施設に入居するだけで、その分スタッフの負担が増えることになるからだ、慢性的な人手不足に賃金問題、山ほどある問題をクリアしなければならないのに、年々増え続ける介護認定を受けることになる人々。あまりにもアンバランスで、そしていつシステムが崩壊してもおかしくないのが、この業界の特徴であり、解決困難とされている部分なのかもしれない。