介護認定の仕組みを
理解する

問題点を掘り当てる

諸悪の根源は主に5つ

今のご時勢だと不景気のあおりで就職そのものに苦労している人は普通だ、また就職が決まっても収入に見合わない業務量を押し付けられてしまって、毎日心労が耐えないという人もいるだろう。またこれも介護の現場だけに焦点を絞るわけでは無いが、実際に働いて見ると覚悟していた以上に職場環境が劣悪すぎる、これも耐えるしかないと頑張っても精神が限界を超えてしまって、うつ病を発祥してしまうなどの問題も、どこかであるかもしれない。

では主に介護の現場で問題とされている点は何処にあるのかを考えてみると、やはりというか、大元は何処の業界とも繋がっている点が、仕事内容などとつりあっていないと考えられている。大きく分けると、

  • ・慢性的な人手不足
  • ・賃金が安い
  • ・離職率が高い
  • ・労働環境が厳しすぎる
  • ・キャリアアップが図れない

この5つの悩みによって、中々仕事も生活も安定しないという嘆きの声を挙げている人がいるというが、この話はもはや日本全国、何処の職場でも共通していると言えるだろう。いつの頃からか、何処でもいいから正社員になれば安泰だなどと言われていたが、その言葉に習って国家資格を取得してなった介護福祉士の人もいるかもしれないが、そういった思考を持って業界に参入してもそれできちんとした生活を送れているかどうか、知る由もないがかなり厳しいだろう。

さて、ここではそんな5つの問題、どれも共通している部分があるので、今回はその中でも『賃金』と『キャリアアップ』という点から、介護福祉の現場で抱えている問題の闇を垣間見ることにしてみよう。


賃金問題に関して

介護福祉士という職業に関して、はっきり言ってしまえば社会的な地位というモノで考えると仕事に相当するものが与えられているとは、お世辞にもいえたモノでは無い。実際に仕事をしている人も薄々感じているかもしれないが、過酷な業務をするにも関わらず、どうしてこれほど安い賃金で働かなければならないんだと、人生に対する疑問を持つような感覚に苛まれる瞬間を生み出している。実際に表として表してみると、平成20年度時期の賃金は本当に笑えるモノでは無い。

※以下、表でお願いします。

男性 女性

産業系 369,3 243,1

ホームヘルパー 242,7 205,6

福祉施設界職員 231,7 208,6

正直な話、これはそれぞれの『年収』を統計したものとなっている。男女共に、これでは生活できないと言われている理由も大いに納得できる数字となっている。社会人にもなると、新社会人から数年間はこれくらいでも仕方ないと思うかもしれないが、年功序列式に給与が上昇して行くはずのシステムから逸脱した、およそ社会人が必要最低限生活するために必要な年収として何かとラインを敷かれているのが、300万円と言われているにも関わらず、男性でもそれから60万円近くも下方に位置している。女性に至ってはようやく200万円を超えているところを考えると、とてもではないが自活した生活が出来る状況では無い。

年収もそうだが、介護福祉士と呼称される人々は職場環境が訪問介護を行っているか、それとも福祉施設で職員をしているかでも分かれてくるが、比較的こうした介護福祉士を仕事としている人々は平均年齢がとても高いことも悪い意味で、介護という仕事の闇を思わせる。男性で平均して『35歳前後』、女性で『40歳前後』と言われているため、賃金に対して不満を募らせてしまい、割に合わない仕事をするのなら利殖した方がまだましだと考える人を助長するような業界になっている。

中には辛いことを承知して働いている人もいるが、そうした無理に働いて頑張っても特にならないと感じている人が多いとのこと、それが後に続くキャリアアップを図ることが出来ない点につながっていく。


キャリアアップという点について

介護という現場は産業別の統計から計ってみると分かるが、非常に離職率が高いことでも知られている業界となっている。離職率だけならもはやほかの追随を許さないとばかりに、軒並み高水準を記録している外食産業に次ぐくらいの数値となっている。こちらも平成20年度のデータとなっているが、その年だけでも離職率は『18,7%』と非常に高い数値を記録している。ちなみに離職率がそこまで高くない業界が金融や複合サービスといった業界が中心となっている。それらの業界を考えれば決して賃金は安く設定されているモノでは無いことを理解できると思うが、介護の現場ではそうした賃金問題だけでなく、その一歩先に進めるだけのきっかけさえも掴めないでいる。

どんな仕事についていても、将来を通して半永続的に仕事を継続することが出来るかどうかなど保証するものは無い。不安定な職についてもいずれはこの道に繋がるための勉強をしているという、準備を粛々と行っている人もいるはずだ。ただそうなると仕事を両立しながらも勉強する時間も作らなければならないが、介護の現場ではそうした自分の時間を捻出することも出来ないことが度々問題として取り上げられている。

いつかは違う職場への転進を計ろうと考えても介護の現場ではそうした些細なことも気軽に行うことが出来ないなどの問題を抱えている。将来設計を考えたとき、今の介護職で自分の今後すべてが保障されることは無いのに、継続して仕事を続けられるほど、強靭な精神を持っている人はいない。いつ容態が悪化するか分からない老人達の介護、休日もろくに取れず、自分の時間といった有効活用することもままならない職場で働き続けたい、こんな事を考えられる人はどんなに敬虔であっても難しい条件だ。自分のためになるからという理由もなく、人を助ける仕事なのかもしれないが、はっきり言ってしまうと、人が人のために生きることを選ぶのはより自分に近しい人間に限ってできることだ。他人となるとそこまでの感情を持つことは出来ない、すると他人よりもまずは自分を優先しなければならなくなるため、離職と慢性的な人手不足に毎年悩まされる構図が完成する。

他人事では無い話だが、おそらく今の日本という1つの国における産業の中でも、介護福祉という仕事はそうした悩みがいつ無くなるか、皆目見当も付かない業界となっていると言えるだろう。一重にいえばブラックなのかもしれないが、元々の性質がブラックであるため、問題を解決するとなればまずは業界全体に巣食っている膿を全て取り除かなければならないのかもしれない。