介護認定の仕組みを
理解する

2009年に改定された点として

状況はあまり改善されていない

こうした要介護認定に関しての話をすると、実際にそれまで当然のように考えられていた基準が一度、2009年に改訂されているが、それ以前では介護認定を計る基準があちこちでばらばらだったというだけでも驚きだ。そんなことでよく今までやってこれたなと、税金がいかに無駄な使われ方をしているのを目撃する瞬間でもあるのだが、実際に要介護認定を利用して給付金を搾取している事件はよく見られる。認定されるや否や、申請した内容に明らかな虚偽があることを自分で証明してしまい、その状態を市職員に目撃されてしまって逮捕されるという事件もあった。どうしてもこういった抜け目ない人がいるため、社会福祉に関して見直しが必要であるとよく言われているのも納得できる。

また改訂されたからといって、それで本当にすべての問題が解消されたとは言い切れない現状が継続中だといった場合、どう感じた方が正しいのか。ダメじゃん、なんて言葉で片付けられる問題では無い、本来なら受ける必要のない人が介護保険を受給している状況もあるかもしれない中、要介護認定という存在そのものに疑問を呈している専門家もいる。実際にその手に資格を持って認定調査を行っているプロが語るところによると、まず書類上の認定具合は信用できないというのが第一声に飛び出してきた。いきなり凄い爆弾発言だが、それにも関わらず法律を改訂したことにはどういう意味があったのだろうか。

2009年に改訂された要介護認定に関する法令の改訂ポイントについて、現場状況と照らし合わせていくつか考察を加えていってみよう。


改訂されたポイント

2009年10月から本格的に改訂された要介護認定に関するシステムだが、これによってどんな部分が具体的に変更されたのか詳しく見てみようと思うが、そもそもこれで本当に問題が解消されたのかどうかも疑問が残るばかりなので、その点も含めて話をしていこう。

申請後の認定調査に関して

まず最初に変更されたポイントとして、介護を必要とするために書類を提出するところまでは共通しているが、次の調査員が訪れて具体的に介護、もしくは支援を希望している人が現状どのくらい必要となっているのかを調べる必要がある。まずは2009年10月以前までの法令について見ると、このようになっている。

・改訂前:認定調査員が、要介護認定希望者の心身の状態を調べるため、患者本人の元を訪れる。

・改訂後:認定調査員が訪れ、要介護認定希望者の日頃の状態を詳しく調査し、さらに日常生活における介助がどの程度必要となっているのか、普段の生活を拝見する。

ざっくりとしているがこんな感じで変更されたというが、変更される前については簡単に情報を偽れることが出来る状況にあるのはもちろんだが、心身の状態を詳しく調べることもあるとしているだけで、どんな状態までならといった基準が調査員に設けられているのかがうかがい知れない。また普段の生活と言っても、これも時々によって状態は異なっているため、認定調査を開始して数日程度の時間が要することを明記していないことも問題だ。

さらにいうと、これだと家族と患者本人が結託して保険を搾取しやすくしている構図が出来上がっているとも感じられる。どちらにしてもあまり前衛的な改訂を行なったとは言いがたい内容である事は間違いない。


悪質な事件も発生している

こうした改訂も空しく、要介護認定といったシステムにはどうしても抜け穴というべき盲点が続出している。やはり特徴的なのは医師の診断書と本人が話す病状、そしてそれを支えるヘルパーの状態といったような構図が完全につるんでいた場合、そこから嘘を見抜くのは困難であるとも話している。だが本当に見抜くことは出来ないのかと疑問に思う、調査といっても普段の生活を横からじっと見られているなら、いくらでも騙そうと思えば騙せるだろうと思ってしまう。あざとければあざといほど、自分の状態が明らかに悪いんだと固辞する人にしてみれば、人を騙そうとするのはたやすいだろう。

そうした嘘を見抜くためにも、抜き打ちでチェックするということをする必要も有る。また狭まった関係からの証言だけに捉われず、隣近所といった広いコミュニティを通して、そこから矛盾点を見抜いていくことも出来るはずなのだが、そうした人件費を捻出するのがもったいないと思っているところが多いのかもしれない。だがそこまでしないと簡単に嘘が作れる現状が継続するだけで、抱え込んでいる問題を何一つ解決することが出来ないのに気付いていないわけでは無いだろう。ならどうしてこうまで嘘が蔓延するようになっているのかと思うが、さすがにそこまで調べていると時間が足りなくなってしまうので、また別の機会に考えてみたい。

この要介護認定において悪質な事件として記憶されているのは、北海道で起きた事件だろう。最初こそ寝たきりと申請しておきながら、需給が始まると寝たきりと堂々と発言していた患者が自立歩行をし、さらに車の運転をしているなどととんでもない行動が目撃されたという。こうした事実も市職員宛のタレこみで流れた情報を追って調べた結果出てきたわけで、さすがにこれには介護認定を打ち切り、詐欺事件として警察に被害届を提出し、逮捕された。

逮捕された後は寝たきりの患者にも関わらず、あまりの空腹に耐えられなかったから運転をして買い物に出かけただけだと容疑を否認していたらしいが、本当に寝たきりな状態なら車の運転以前に立ち上がることも困難だろうがと、誰もが思っただろう。嘘方便口八丁とは言ったものだが、こういった悪質すぎる虚偽をして、自分が楽することだけを考えるのは人間らしい業でもある。そこを否定することは出来ないが、ただ見ている人は見ていて、それに対して誰も告げ口しないような社会システムは何処にもない。あざとく生きている人ほど周囲から簡単に裏切られるものだが、この要介護認定の改訂ポイントとして変更されている部分に関してはあまり効果が発揮されていないということだけは間違いない。