介護認定の仕組みを
理解する

どのようにして認定が行われるか

問題を招いてしまう原因でもある

介護保険に限ったことでは無いが、こうした詐欺事件は残念ながらかなりの確率で発生していると考えていいだろう。著名人、また何かしら有名になりかけている人程度になると、人伝いに噂が伝播して、その後詐欺を行なっているのでは無いかと内密に調査されて逮捕に至る、といった経緯で考えられる。したたかな人というのは何処にでもいるものだが、筆者的な印象としてはそういった人々に共通している個性は『自己肯定型』であるということだ。要は、自分は何も悪いことをしているわけでは無い、むしろそれを告発して来たに人間が一番の元凶であるなどと、理不尽極まりない発言をしているような、そんな姿を思い浮かべることが出来る。最近の例としては介護保険とはまた性質が異なっているが、聴力があるにも関わらず難聴認定されていた佐村河内事件など保険制度を利用した事件だ。この件では完全に聴力が失われているなどと虚言を吐き、指定の制度から支援金を騙し取っていたわけだが、それに対して自分は悪いことをしていないなどと断言するような高圧的なもの良いと、自分と共犯者だった新垣氏に対して名誉毀損で訴えるといった、悪人ここに極まれりという言葉を体現するような記者会見模様が放送されていた。

この事件でもそうだが、社会保険制度を利用した詐欺事件に関して表沙汰になっていない、まだばれていないといったような件も含めればおそらく日本だけでなく、世界の何処にもで存在しているはず。社会の闇といった物は何処にでもあるものだが、こうした問題が起きてしまっている事実を受け止める必要があるだろう。ではどうしてこんな問題が起きてしまうのかを考えて見ることにする。今回は介護保険制度に関するテーマを取り上げているので、そこに焦点を当てながら進めていこう。


認定までの一連した流れ

要介護認定してもらい、介護保険制度を利用できるまでの流れとしては色々とあるが基本的には単一化されたルートとなっている。申請から認定完了までの一連の流れとしては、

①:各市町村役場に必要な書類を提出して、申請する。

②:認定調査員による介護認定に必要な調査を行う or 主治医の先生によって意見書が作成されていればそれに基づいて段取りを踏む

③:どの程度介護を必要としている状態なのかを審査する。大体は三段階の審査を行う。

④:認定結果通知によって、可能だった場合には必要に応じた需給が為される。

このようになっている。大雑把に、そして簡略的に最初から最後までの流れを紹介したが、こうしてみるとあまり良く出来ているシステムとは言えないだろう。先にも紹介したとある詐欺事件の件では本人とそれを支える介護ヘルパーは勿論、手を貸してはいけないはずの主治医の先生までもが結託して虚偽申請を行ったというのだから、大問題だ。これでは誰もが簡単に虚偽申請を行えるのではないかと思えてしまう、加えてこの事件で一番見逃してはいけないポイントが搾取を行っていた一連の黒幕が、かつて勤めていた職場が氏が経営している訪問介護事業だったということである。これには納得、もしくはだからこそこんなことが出来たのだろうといった妙な気視感を感じる、それもそうだ、何せ裏側を直接覗きこんでいたのだから何処をどうすれば事実を捏造することが出来るかなど、穴を見つけることはたやすい。こうした事件で悲しいのは、そうした介護を必要としている人に対して手を差し伸べる仕事をしている人間は、逆手にとって制度を利用して少しでも楽をしようとしていることを問題とすべきだ。


認定調査に関する変更点

モデルケースとしてあげているこの事件は、簡単に言うと要介護認定を行うための基準が甘すぎるのでは無いかということに対して、問題提起するだけの力があったということなのかもしれない、勿論それ以前から不十分とされていたという風に捉える事も出来るが、良い事例となったことで変更への後押しをした事は確かなはず。実際、これら一連の不正と思われる行為が行われていたと考えられており、被害を訴えていたのが法改正を行う8ヶ月前のことになるからだ。これだけ期間が近いと間違いなく法律内容の変更に影響を及ぼしたのは否定する道理もない。

では肝心の変更された箇所とは具体的にどんなところを指しているのかだが、特別大きな変更点を設けたと言った動きではなく、単純にこれまでの調査に関してもう少し詳しく調査しなければならないと念押しをする程度に変更されている。筆者に言わせれば初めからこのくらいの調査は当たり前だったのではないかと思うが、法制定をした当時の役人達からすればこれで十分事足りるだろうと、そんな風に見られていたのかもしれないが。そうした部分に対して少々憤りを感じるが、ともかくまずは変更点について記していこう。

・変更前

認定調査に関して、実際に本人の状態や介助の程度を拝見すると共に、普段の様子を伺う。また日頃本人や家族などが不便に感じているようなことに関しても考慮に含めながら、審査を行う。

・変更後

認定調査に関して、実際に本人の状態や介助の程度を拝見すると共に、普段の様子に関してより詳しく伺っていく。また日頃本人や家族などが不便に感じているようなことに関しても考慮に含めながら、審査を行う。

このように変更されているが、実に微妙なラインで変更されているのが良く理解してもらえるだろう。つまり、これまでは認定調査をするまでに必要な情報に関してそこまで詳細に知る必要がないということ、本人が嘘をついていないという保証を得るための背景調査が不十分だったということが良く分かる。

この心身に関する状態で虚偽することが出来ればそれこそ簡単に人を騙せるだけの材料はお膳立てされてしまい、事実を見過ごしてしまう事態を招くこととなる。今回参考としている事件でも不正を行ってから2年近くもの間不正受給することとなってしまったため、結局は制定した国による非が圧倒的に大きいということだ。ただそれ以外にもこうした事態を招いてしまった要因があることを考える必要がある。